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twitterで人なるSS。

 ツイッターのカリアラアカウントで診断メーカーを引き、そこからのリクエストを踏まえた小ネタ。即興の臨場感(?)そのままに、ほぼ修正なしです。
 本編小説(web掲載/無料)はこちら→「人喰い魚が人になる」

 
 ↓始まりはこの診断メーカー結果でした。

 あなたは3分以内に1RTされたら、手の甲にキスをするカリアラと誰かの絵を描きます。    http://shindanmaker.com/255342 あーるてーしてくれたやつが、誰か決めてくれ!(←カリアラ発言)

 ↓そしてリクエストが。

 ………………え? RT @フォロワーさん: @kariala ここは是非! ななさんに!!!

 @フォロワーさん もちろんピィスちゃん RT @kariala: あなたは3分以内に1RTされたら

 ピィスとな、……ななってな、ごしめいだからな、……するぞ。


 ↓というわけで始まりました。(ツイートごとに一行空けで、台詞部分の改行のみ修正)


「だからさー、挨拶なんだよ。触れるかどうかも微妙なくらいの…」
 ピィスは身振り手振りを加えてカリアラに夜会での行いを教えようとするのだが、まだ一度も社交の場に出たことのないカリアラに上手くつたわるはずもない。何を言ってもきょとんとするばかりの彼を前に、ピィスは手を差し出した。

「ほら、手ぇ貸せ」
 わけがわからないまま伸ばされたカリアラの手を、ピィスは雑に引くと何も言わずに顔を屈めて、軽く、触れるか触れないかの感覚でやわらかな熱を甲に落とした。びくりと引きつる彼の手を放り出してピィスは笑う。
「はい。次はお前がやってみて」

「あ、熱いぞ!?」
「そんなわけないだろ、もう冷めたって。ほら。おんなじように」
 妙に顔を赤くしたカリアラに白い手を突きつけると、長い長い葛藤と百面相の末に、彼はピィスの手を取った。その触れた指でさえ火傷をしたかのように慌てて放し、また恐る恐る取り直す。
「ちょっと触れるだけだからな」

「ふれるだけ…ふれっどる…ふれふれ? ふれって、なんだ?」どうやら目が回っているのか、カリアラはわけのわからないことを呟きながら、ピィスの手の甲に思いきり噛みついた。

 次の瞬間カリアラの体は宙を飛び、壁に叩きつけられている。
「こら、なな!」
 ピィスの声が全てを説明してくれた。
「軽く噛まれただけだって!オレが悪いんだし…カリアラ、大丈夫?」
 だが駆け寄ろうとしたピィスの手は何もないはずの背後に引っぱられ、唐突に姿を現したななが歯型のついた甲を舐めた。

「いや、消毒はいいから。血も出てないだろ?」
 構わずに舐めた跡の唾液を吸い取るななと、ごく当たり前の治療として受け入れているピィスの様子を、カリアラは視線に熱があれば焦げ落ちているに違いない眼力で見つめていた。
「……おれも」
「ん?」
「おれもやる。なな、なめる」

「……いや、無理だろ。良いとか悪いとか以前に、無理だろ」
「あいさつだから!」
「いやいやいや。挨拶でもないし!」
「おれ、ななにあいさつする!!」
 だが彼女の黒い犬は、既にどこかに姿を隠していた。カリアラはピィスのことも忘れ、ななー、ななー、と呼びながらそこら中のものをひっくり返す。

 もちろんそれでななが見つかるわけもなく、呆れるピィスが帰っていくのにも気づかずに、カリアラはサフィギシルが帰ってきて止めるまで、延々とななを捜し続けた。(終)


〜十年後〜
カリアラ「……というのを思い出した」
  なな「お断りします」
カリアラ「まだ言ってない」
  なな「お断りします」
カリアラ「主人の命令でもか?」
  なな「したいですか?」
カリアラ「……したくないな」
ピィス「してあげればいいのにー。写真撮ってあげ」
   「嫌だ!」「嫌です」

at 00:40, 古戸マチコ(こと・まちこ), 人なる・過去見・ハヴリア

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